パステルて、どんな材料

【パステルとは】

パステルは、粉末顔料(色の粉)と、それを繋ぐ粘着剤とでできています。


『ソフトパステル(一般にパステルと言うとこれを指さします。)』

顔料を薄い成型材(アラビアゴム、トラガカントゴム、デキストリンなどの溶液)で固めたもので、紙に固着するのではなく、紙の表面の凸凹に物理的にひっかけて描くように使います。
ソフトパステルは、粘着剤よりも顔料の比率がはるかに大きく、柔らかく、ざらざらしています。

顔料が多くふくまれていますので、発色がとても良いです。色数も多くメーカーによって、200数十色~500色以上あります。
やわらかい調子のボカシや、重ね塗りに適しています。
顔料の鮮やかな色を使って表現できることと、光沢のない落ち着いた色が出せるのが特徴です
フイキサチフ(昔昔、フェキサチーフと私は言っていました。記憶違い?)と言われる粉を固めて紙に接着してしまう液(定着液)を吹き付けます。


『ハードパステル(チョーク類を含みます。)』

ソフトパステルの材料で成型材の濃度を濃くして、粘土を加えてかたくしたパステルです。
ハードパステルは、顔料に対して、粘着剤の比率が多いので、硬いパステルです。

ソフトパステルのように、色数は多くありません。
性能はソフトパステルと同じですが、性質が硬いのでソフトパステルのような重ね塗りが難しいため、フラットな仕上がりの作品に適しています。
線的な表現(角を使って細い線を描く)や、ソフトパステルの調子を強めたりするのに向いています。

PASTEL和(NAGOMI)ARTのパステルアートで使用している、NOUVEL CARRE PASTEL(ヌーベル カレー パステル)はハードパステルです。

ヌーベルカレーパステルはコンテの持ち味にパステルの良さを加えたハードタイプのパステルです。
粒子が細かく、色の伸び・定着性が良く、崩れによる粉っぽさがありませんが、フイキサチフと言われる粉を固めて紙に接着してしまう液(定着液)を吹き付けます。

※コンテとは?
昔から製造されていたフランス コンテ社のチョーク製品に似ているので、ハードパステルをコンテパステルと呼ぶ人もいます。

なんと言っても、画材の中では安いのが、ありがたいです。油絵を描くと際限なくお金がかかります。化学物質アレルギーがある人は、溶剤に反応してしまいます。同じパステルでも、ソフトパステルや、オイルパステルより、安価です。

PASTEL和(NAGOMI)ARTのパステルアートでは、どちらかというと、脇役的はハードパステルをメインに使用しています。色数がすくなくても、削って粉にすれば、混色して色数を増やす事もできます。

逆に色数が少ないこと、安いこと、パステルの技術の中でも、簡単な手法がメインになっていることで、短時間で描ける事が、絵が苦手だと思っている人でも、 絵(パステルアート)が、以外に面白い、描けてしまったという歓びをに出会えるのだと思います。

だからと言って、ソフトパステルを使ってはいけないわけでも、色数を増やしていけないわけせもありません。テクニックだって、なんでもOKだと思います。


・オイルパステル(一般にクレヨンの柔らかいものとして使われます

オイルパステルは顔料をワックスと油でねり、柔らかな描き味をだすようにした棒状にしたものです。油絵具用の溶剤テレビン油やペトロールで溶かして色面をつくることもできます。
油が多いとオイルパステルとなり、油が少なく硬いワックスを使うとクレヨンとなります。
ソフトパステルやハードパステルのように粉っぽくなく、粘りがありますので、紙によく付着します。完成後はソフトパステルと同様に上から定着液を吹き付けると安全です。

フィキサて?な~に?

頭が悪いのか、記憶違いなのか、私はフィキサチーフと子供のころから記憶していました。

スターターキットには、ターレンス ジャパンの「TALENS PASTEL-FIXA」が入っていました。
フィキサとは、パステル、木炭、コンテ、クレパス、鉛筆等の画面(粉ついた画用紙)に粉を定着させるための、定着液です。

ターレンス ジャパン「TALENS PASTEL-FIXA」のフィキサの特徴は、定着・乾燥後の画面の黄変がおこらず、しっとりしたマット調を保つというのが、メーカの売りです。

品質特性としても、メーカーは、透明で水溶性の皮膜を作るので、定着した後にパステル、木炭、鉛筆、ポスターカラー、水溶性インク、水彩絵具で加筆することが出来ると表示しています。

この、後から加筆できるところが、使いやすいところです。
ただ、加筆はできますが、一度フィキサをかけると、紙に塗ってあった色と、フィキサ後にその上に塗った粉を、紙の上では混色できません。
デメリットとも考えられる一方、混色しない事を特徴として、一度フィキサをかけて、描き続ける事が出来ると考える事もできます。

また、フィキサを吹きつけた後にすぐラメを散らすと、ラメを定着させることができます。

吹き付けるときは、缶を軽く振って、攪拌してから使います。

画面から30cm程度はなして、満遍なく噴霧します。
近いと、最初に集中してエアーのあったところのパステルの粉が吹き飛んでしまいます。